自己投資は初期スタートアップへの投資と同様に重要。YCが高校生たちに、成功の秘訣10を提案
自己投資は初期スタートアップへの投資と同様に重要。YCが高校生たちに、成功の秘訣10を提案
YCスタートアップ講座
MixerBoxは2012年に設立されましたが、創業者のジョンが起業を夢見たのは高校時代で、マイクロソフトのビル・ゲイツに憧れていました。そんな夢を持ちながらジョンは何を学習すべきか模索し続け、情報工学の技術だけではなく、ビジネスやコミュニケーションの分野においても自ら研鑽して習得を試みていました。そこで彼は、コミュニケーションが苦手な自分の性格を克服するために、毎日バス通学の途中、知らない人に積極的に話しかけ、おのずと厳しい環境を作り出すことでトレーニングしていました。
それは世界最大の起業支援機関であるシリコンバレーのアクセラレータY Combinator (YC)が、高校生向けに提案したソフトウェアスタートアップにおける10のアドバイスの1つと一致しています。
より多くの若者が起業への夢を抱いている昨今。YCが高校生に向けて提案した10の成功アドバイスについてご紹介します。
10のアドバイスを紹介する前に、まず前向きであることを忘れないでください。前向きな姿勢は世界を動かす原動力となり、そんな若者を世界は求めているからです。そして焦らずまだまだ十分な時間があることを忘れないでください。いつからでも再びスタート地点に立ってやり直すことはできます。
1. プログラミングを学ぶ
志望がエンジニアでなくても、ソフトウェア業界で起業するなら、製品と会社にとってコア技術となるプログラミングの知識は重要です。自分にはプログラミングの才能がないと感じる人もいますが、天才になる必要はありません。ゆっくりと学んでいけばいいのです。すべての魔法使いがハリー・ポッターのように優秀である必要はありませんが、呪文を学ぶことは必須です。
もちろんソフトウェア業界以外の道を進みたい場合は、その業界のコア技術となるスキルを身につけることが大切です。
2. デザインを学ぶ
ソフトウェアを作る際にはボタンが必要になり、ボタンをデザインする必要があります。
インターネット上には、デザインを学ぶ際に役立つ膨大な資料とチュートリアルがあります。デザインができる基礎的なソフトウェアから使い始めて、慣れていきましょう。
ソフトウェアだけでなく、周囲を見渡せば、あらゆる製品においてデザインが必要であることに気づくはずです。
3. 製品の発売方法について学ぶ
簡潔に言うと、実際に自分のアイデアを製品化して売り出すということです。
Facebookの創設者マーク・ザッカーバーグは高校生のころ、友人のアダム・ダンジェロと無料の音楽ソフトウェアを立ち上げました。当時彼らはプログラムの書き方を知っていただけで、単に一緒にすごいものを作って何が起こるか見てみたかっただけなのでしょう。
リスクや費用が少ないテーマを見つけて、実際に作ったものを世界に公開し、人々の反応を見てみるのも良いアイデアだと思います。
音楽家、作家、またはその他の職業に就きたいのであれば、まず行動に移しましょう。理想だけで終わらせないでください。
4. コミュニケーション力を身に着ける
起業したいのであればどんな業界であっても、自分の考えを表現し、人と交流する力を身につける必要があります。
社交性は生まれつきのものだと考える人もいますが、実際には訓練によって身につけることができます。これは冒頭で紹介したジョンの自己鍛錬がまさにそれに当たります。
殻に閉じこもる日常から抜け出しましょう。皆さんは自分がなりたいと思っている人になれるはずです。エンジニアは根暗であるとは限りません。また内向的であると早々に自分を決めつけないでください。
高校生活を利用して、自分が憧れる人物像に近づく実験をしてみませんか?たとえ挑戦が失敗しても、高校卒業後は皆バラバラになり、すべて楽しい思い出になるはずです。
どんな人気者や目立つ人でも恥ずかしいと思う時があり、誰もが他人から積極的に話しかけられたいと思っているはずです。つまり、ほんの一歩踏み出すだけで自分との闘いに打ち勝つことができるということです。
5. 他人を思いやること
本当に人の助けになる製品や人は少なく貴重です。身近な人を思いやり助けようとする心を身につけましょう。
将来皆さんもユーザーや消費者を気にかけることになるからです。
6. 社会システムを理解する
学校とは一種のシステムであり、成績はデータです。
このシステム自体に同意する必要はないものの、社会においては総じて独自のシステムがあり、それぞれ独自のルールがあることを覚えておいてください。
システムのしくみを理解し、目標達成のための手段として活用しましょう。
全てのシステムを受け入れる必要はありませんが、それを活用する方法を学び、コントロールされることがないようにすべきです。
7. 価値を見極める力を磨く
トレンドは学校と同じく一連の仕組みによって成り立っていると言えます。例えば最近話題になっているブロックチェーンは、まさにそうしたトレンドのひとつです。
トレンドには消えていくものと残っていくものがあります。残っていくものは本当に人々の役に立ち、人々の生活を助けてくれるものです。
価値を見極める力とは一種の嗅覚のようなもので、その力を磨くということは本物の価値と偽物の価値、短期的な価値と長期的な価値を見分けることができるようになるということです。
このスキルを身につけることができれば、皆さんの将来に無限の可能性が広がります。
8. テクノロジーに前向きになること
テクノロジーとはもちろん良いことばかりではなく、悪い結果を招くこともありますが、
ニュースで悪いニュースを目にしたとしても、いつも深刻に受け止めなければならないとは限りません。テクノロジーが生活にもたらした変化を見渡し、どのように我々を導いてきたかを考えてみることが大切です。
9. 誠実さを身につける
正直になる練習をしてみましょう。自分の心の奥底に潜んでいる考えや感情に対して問いかけてみてください。
ソフトウェアのスタートアップを成功させるには、誠実さが重要な役割を果たしています。ユーザーはあなたの誠実さを信頼しているからこそ製品を使い、投資家は投資するのです。
誠実ではないと感じたら、勇気を出して指摘すべきです。
10. 粘り強さを身につける
最後に忍耐力を持つことが大切です。学校の授業は1コマずつ、そして1学期1年間と段階的に進んでいきます。
一般的に新規事業の株式上場には7~10年かかります。
高校生がわずかな年月で成功するのは、あまり現実的ではなく、だからこそ忍耐力を身につけて、夢を諦めないでください。まだまだ若く、成長するための時間はたくさんあります。
参考元: https://www.ycombinator.com/library/IZ-dalton-michael-the-student-s-guide-to-becoming-a-successful-startup-founder